エンシュウ、IoTモデルライン新設 AI搭載も検討
エンシュウは2019年2月の稼働をめどに、IoT(モノのインターネット)の提案力を高めるための新モデルラインを本社工場に設置する。自動車部品など加工対象物(ワーク)の加工条件などを追跡でき、顧客のトレーサビリティー(履歴管理)ニーズに応える。将来は人工知能(AI)の搭載も検討する。
モデルラインは前工程の旋盤に搬送ロボット、エンシュウ製の立型マシニングセンター(MC)4台を組み合わせ、システム化した。搭載したセンサーユニットにより、ワークが加工された時の機械の状態を分析する。「ワークに関連付けたトレーサビリティーにより、バラつきのない良品ワークを効率的に作り出したい」(原淳記新規事業・IoT推進室主幹)としている。
同社はIoTモデルラインを約3年前に設置しており、今回が2ライン目。新ラインは手作業だった搬送をロボットで自動化した。自動車のディファレンシャルギア(差動装置)を収納するデフケースを実際に量産しながら、情報を収集、分析する。同社は工作機械メーカーでありながら2輪車、4輪車用部品も製造する強みを生かし、顧客視点のIoT提案を目指す。今後は、新モデルラインを顧客に公開してニーズを取り込み、AIを使った情報の分析と活用に発展させる考え。
また、自社のMCだけでなく、他社の機械も組み合わせてシステム化してきた実績と経験を生かし、「IoT技術を応用したソリューションとして事業化したい」(同)としている。