設計開発ソフト各社、「工場IoT化」に照準−PLMのノウハウ活用期待
設計開発ソフトウエア業界各社で、工場のIoT(モノのインターネット)化や生産工程の効率化ができるソフトウエアの開発が活発化している。設計から生産、品質管理の情報をリアルタイムで接続して、製品不良の削減や設備効率の改善などを図れる。工場のスマート化の促進が課題になっている製造業者が多い中、製品ライフサイクル管理(PLM)などの設計開発工程のノウハウを生かしたソリューションの提供が期待される。
ダッソー・システムズ(東京都品川区)は、工場でのロボット配置や生産ラインの稼働をシミュレーションできるソフト「DELMIA(デルミア)」を展開。同ソフトでは、工程ごとの生産時間やコストなどを工場間で比較検証して、生産改善を図れる。国内では航空機部品メーカーの工場などで導入が進んでいる。
また、同社は、製造・販売や品質の情報などを管理して、生産工程設計と生産計画をつなぐMESソフトも提供。同ソフトを導入した海外の機械メーカーは、資材調達や在庫管理の効率化などで導入初年度に1200万ドルのコスト削減を達成したという。
CADなどのベンダーが工場生産の管理ソリューションも手がけることで、設計から生産、品質管理までの工程を効果的につなげる環境が整いつつある。
だが、各工程や部門間では設備やシステム、情報の種類などが異なるため、ソフトウエアの提供だけでは生産の効率化が進まないのが実態だ。そのため、一部の成功事例など各種製造業のノウハウが集まるソフトウエア各社には、コンサルティング力の発揮も期待される。