機械・工具商社8社の通期見通し、全社増収 海外拡充・自動化提案を促進
機械・工具商社8社の2026年3月期連結業績は、全社が増収を見込む一方、営業利益は3社が減益を予想する。海外事業の拡充や生産の自動化案件などの提案を促進し、各社は売り上げの拡大を計画。営業利益は販売管理費が増える山善などが減益を見込む。米トランプ政権の関税強化策の影響で先行きの不透明感は漂うが、不確定要素が多く、各社とも業績予想には織り込まなかった。
ユアサ商事の26年3月期は営業利益と経常利益で4期連続の最高益更新を目指す。田村博之社長は「工作機械の需要は慎重に見ているが、住設機器や都市開発案件など伸ばせる分野でカバーする」との方針を示す。
てこ入れする海外事業はインドや東南アジア市場を攻める。2月にはタイで海外初の総合展示会を開いており、受注目標の30億円達成にめどを付けた。
山善の26年3月期は自動化・省人化や脱炭素化の設備提案を加速し、増収を図る。一方で賃上げによる人件費上昇など販管費増加の影響を受け、営業減益を見込む。
同社は4月から3カ年の新中期経営計画が始動し、海外事業を成長の柱に据えた。28年3月期に連結売上高目標として6000億円を設定し、「うち20%を海外事業で目指す」(山善)計画だ。
米国の関税政策の動向は各社とも注視する。椿本興業の香田昌司社長は「関税政策で影響が出てきたとしても、国内で需要が多い自動化設備の提案でカバーできる」とする。
25年3月期は全社が増収となり、うち6社は営業増益だった。