加工中にワーク歪み補正 スギノマシン、センシング技術開発
スギノマシンは、加工対象物(ワーク)の歪みや寸法のバラつきなどを加工中にリアルタイムに検知・補正できるセンシング技術を開発した。第1弾として12月中に新機能を搭載したロボット溶接システムの受注を始める。人手不足や技能者の高齢化が顕著となる中、中小企業のモノづくりの自動化を後押しする。3年以内に新機能を搭載した各種装置50台の販売を目指す。
開発したセンシング技術は、独自のロボット制御とセンシング技術を組み合わせて実現した。まずロボット溶接システムに搭載を計画しており、TIG(タングステン不活性ガス)溶接とファイバー溶接に対応する。今後、多様な産業機械向けに順次展開していく。
ロボット溶接システムはロボットアームに取り付けた光学スキャンセンサーでワークを3次元(3D)計測し、歪みや寸法のバラつきを把握。溶接と同時並行で、歪みや寸法のバラつきをプラスマイナス10ミリメートルの範囲で補正できる機能「アクティブトラッキング」を搭載した。
スギノマシンの従来品でも3Dカメラによるスキャニングで、ワークのバラつきに合わせた動作経路の自動生成は可能だった。ただ、スキャニングと溶接で2工程を要していた。新技術は精度や品質を担保した上で両工程を同時に行えるため、生産性を一層高められる。
通常、溶接中のワークの歪みを抑えるには専用の治具が必要になる。治具の製作には時間とコストがかかり、中小企業の負担になっている。新システムを活用すれば簡単な位置決め治具で済む。
複雑形状の溶接や少量多品種の溶接は作業者の手で行われるケースが多い。ただ、担い手不足や技能者の高齢化が進み、中小企業では事業継続のリスクになりかねない状況だ。杉野岳副社長は「今回の開発技術で、日本のモノづくりの課題である人手不足解消と技能継承に貢献したい」と話す。