今年の鍛圧機械受注見通し、3730億円に上方修正 車生産回復
日本鍛圧機械工業会(日鍛工)は、2023年暦年の鍛圧機械の受注額見通しを22年12月予想比15億円増の3730億円(前年比微増)に上方修正した。国内で政府の支援策、海外では半導体不足の緩和や電気自動車(EV)関連の設備投資が期待できると予想。日鍛工では「23年は新たに大きな懸念材料は見られず、22年と同程度で受注は推移する」と見る。
国内の受注額見通しは22年12月予想比35億円増の1600億円(前年比0・1%増)と予想。政府の経済対策による下支えとともに、自動車生産の回復や半導体関連などへの投資継続を見込む。鍛圧機械メーカー幹部は「サプライチェーン(供給網)見直しに伴う国内生産回帰の動きも需要を下支えしている」との見方を示す。
輸出は同30億円減の1250億円(同0・5%増)を見込む。日鍛工では中国経済の停滞やロシアのウクライナ侵攻による原材料やエネルギー価格の高騰といったマイナス要因が続くと予想。一方、欧米を中心にEV対応による設備投資や、東南アジアやインドなどの新興国市場でコロナ禍後の回復への期待も織り込んだ。
機械別ではプレス系機械が同5億円増の1550億円(同0・6%増)と予想。EV化対応は国内外で強弱はあるが底堅く、「まだまだ新規投資需要が期待できる」と想定する。
板金系機械は同横ばいの1300億円(同0・2%減)と見込む。各種経済対策などによる下支えに加え、都市再開発を含む社会インフラ整備への建材関連も堅調と予想。「調整局面と見える半導体装置関連も後半に持ち直すものと見られる」としている。
23年の総受注額は過去20年間で3番目の高水準となった22年をわずかに上回る見込み。各社は生産を拡大して22年に積み上がった受注残の解消などを進める一方、環境負荷低減や省人化、自動化などの根強い需要への対応が求められそうだ。