今年の工作機械受注、1.5兆円 後半から回復
日本工作機械工業会(日工会)の稲葉善治会長は、2024年の工作機械の年間受注額が23年の推定値と比べ1%増の1兆5000億円になるとの見通しを示した。2年ぶりの増加を予想した。24年の前半は受注の調整局面が続くが、後半から半導体関連や新エネルギー車向けの新たな需要を見込む。
稲葉会長は都内で開いた賀詞交歓会であいさつし、24年の受注環境について「年の前半は緩やかな調整局面が続く」とした上で、「半導体の需要増加や自動車の新エネルギー対応のため、後半には新たな需要が見込まれる」と述べた。
24年の受注額見通しでは内需や外需の内訳は公表しなかった。ただ外需の約3割を占める中国市場について「今は良くないが、多分持ち直す。通年で見ると23年と変わらないのではないか」との見通しを示した。
また1兆5000億円の受注規模について稲葉会長は「好不況のボーダーラインとして1兆3000億円の線を考えている。非常に厳しい状況だが、決して悪い数字ではない」とし、自動化、デジタル変革(DX)、環境対応などの根強い設備需要に期待を示した。
24年の受注額見通しについて工作機械メーカー幹部からは「もう少し厳しく見ていたが、1兆5000億円は良い目標ではないか」「25、26年には半導体製造装置、自動車、航空機向けなどの受注が上がり次のピークがくる。その間の1兆5000億円は悪くない」との声が聞かれた。