進興がロータリー研削盤開発 横2軸で高精度 SiC半導体対応
進興製作所は、2軸で高精度に加工できる横軸ロータリー研削盤「HRS―750Bm」を開発し、発売した。
粉じんの散乱防止のためフルカバー構造にするなどし、クリーンな環境が必要な半導体業界を中心に拡販を見込む。
ロータリー式で横型の研削盤は進興製作所として初めて。加工テーブルのサイズは、研削盤では一般的な直径600ミリメートルに対して750ミリメートルとし、車載向けなどに需要拡大が見込まれる炭化ケイ素(SiC)パワー半導体製造に要求されるサイズに対応した。
傾斜角度は、他の横型ロータリー研削盤ではプラスマイナス3度までの機種が多いが、HRS―750Bmはプラスマイナス10度まで傾けられる。これにより、これまでは傾斜が足りなかった円形の片・両刃カッターの製造に対応できる。操作はタッチパネル式で、プログラミングの知識がなくても直感的に使える。同社は機械制御のためのソフトを自社で開発しており、顧客の要望に合わせてカスタマイズできる。
永電磁チャックを使用しており、電力を使うのは着脱の際のみ。常に電力を使用する電磁チャックと比べて熱が発生しないため、熱による加工対象物(ワーク)の変形を防ぎ、より高精度に研削できる。
大きさは幅1700ミリ×奥行き3260ミリ×高さ1900ミリメートル。対応できるワークの最大寸法は高さが300ミリメートル、長さが直径800ミリの円形または1辺530ミリメートルの正方形で、最大重量は300キログラム。