京浜ラムテック、汎用MCで金属接合 同期撹拌技術を開発
京浜ラムテックは、汎用のマシニングセンター(MC)やフライス盤を利用して金属を接合する同期撹拌接合(SSW)技術を開発した。機械に専用ツールホルダーと接合ツールを装着すると、マイクロ波を伴う駆動によって撹拌が最適化されて反力が軽減。金属の塑性流動も促進する。金属接合に現在用いられている摩擦撹拌接合(FSW)に比べて小径の接合ツールを使うことで、低入熱で高速・高強度接合を実現する。
京浜ラムテックはFSW専用の加工機による受託加工で20年の実績を持つ。今回、新規事業としてFSWで培ったノウハウや経験をもとにSSW技術の開発を進め、実用化にこぎ着けた。今後、自社製品としてSSW専用ホルダーの販売に乗り出す。
工業製品に多用されるアルミニウム合金A6061を、接合深さ4ミリメートルで加工する場合、「FSWの送り速度は毎分2000ミリメートル程度だが、SSWでは2倍以上の速度で接合できる」という。
また、FSWでは接合温度300度Cを下回ると、入熱不足による内部欠陥が生じ始めて200度C付近でツールが破損してしまう。一方、SSWでは150度Cでもツールは破損せず安定的に接合できる。
既に独自の技術として特許を取得済みで、海外の主要国でも特許を出願している。