京セラ系、電動工具の制御回路外付け 小型・軽量化で作業負担減
京セラインダストリアルツールズは、制御回路を本体から切り離して小型、軽量化した電動工具を開発した。まずはディスクグラインダー2機種を発売した後、ベルトサンダーなど3機種も月内をめどに販売開始する。エアツールに対抗できる軽さを電動工具で実現し、作業者の負担を軽減する。製缶や造船など広く金属加工現場向けに提案し、年5万台の販売を目指す。
新開発の電動工具「リンクコントロールシリーズ」は、従来は工具本体と一体化していたモーター制御回路を外付けのコントローラーとしてケーブルで接続する構造とした。コントローラーには複数工具を接続でき、工具の種類は自動認識する。
第1弾として砥石(といし)径が100ミリメートルと同180ミリメートルのディスクグラインダー2種を発売。内製するブラシレスモーターを搭載した。消費税抜きの価格は同180ミリメートルのタイプが7万1500円、4口の接続が可能なコントローラーが8万5800円。
一般に電動工具はエアツールよりも高出力だが重いため、生産ラインではエアツールが多く使われている。
新シリーズはエアツールの軽さと電動工具のパワーを両立したのが特徴。京セラインダストリアルツールズでは「モーターと制御回路はセットで考えるのが当たり前だが発想を転換した」としている。
同100ミリメートルのタイプはプレス加工後のバリ取りなど、同180ミリメートルのタイプは船舶や特殊車両車体などの重切削向け。同社によると同180ミリメートルのタイプは競合品より700グラム程度軽く、価格帯の高い200ボルトの高周波グラインダーも代替できるとしている。
そのほか月内にはベルトサンダーや、スイッチを握っている間のみ動作するパドルスイッチ式ディスクグラインダーなどの工具3種を追加投入。