京セラ系、インサート交換用電動工具を投入 作業時間を大幅短縮
京セラインダストリアルツールズは、インサートの交換時間を大幅に短縮できる交換用ドライバー「DTD500」を開発した。
電動ドライバーとトルクレンチの二つの機能を搭載。インサートが16枚付いたカッターの場合、一般的な目安の交換時間が7分42秒なのに対し、DTD500は3分58秒と半減できる。メンテナンスの効率化につながる点を訴求する。
開発したのは電動工具事業を手がけるKITと親会社の京セラ。KITは、京セラがリョービから同事業を買収した2018年、同事業の承継会社として設立した。
DTD500はKITと京セラによる初の共同開発品で、KITにとって初めての工作機械向け電動工具。充電式を採用した。消費税抜きの価格は3万8600円で、初年度3万台の販売を目指す。
フライス加工で使うカッターはメンテナンスのため、定期的にインサートを交換する。交換作業は新しいインサートを取り付けた後にドライバーで固定ネジを締め付け、最後にトルクレンチを使い推奨トルク値による締め付けを確認する。
DTD500は電動ドライバーと、任意のトルク値で締め付けられるトルクレンチの二つの機能を搭載。ドライバーとトルクレンチを使い分ける従来手法と比べて作業時間を削減できる。またインサート交換の高精度化も見込める。
フライス加工用のカッターは、作業時間の短縮や加工対象物(ワーク)の大型化などに伴い、インサート数の多いカッターが主流になりつつあるという。一方、従来の交換手法は作業時間がかかる上、作業者によって作業時間や精度に差が生じることが課題となっていた。