かいわ、研削時の振動を削減する技術開発 砥石固定部品に補正おもり
かいわは、研削加工時の機械振動を削減する技術を開発した。2種類のおもりを装着できるようにした砥石を固定する部品(フランジナット)を使うことで、砥石の回転時に生じる振動を最大99%削減できる。プレス成形用金型の部品製造をはじめとする、形状・寸法精度や鏡面性を必要とする面粗さの品質基準が厳格な分野に向けて提案する。
フランジナットに2段溝の加工を施し、2段目の溝に砥石のアンバランスを整える補正おもりを取り付け、1段目の溝には7グラムのバランスピースを取り付ける。最初に補正おもりで砥石のアンバランスを整え、微調整を一般的なバランスピースより軽い7グラムのバランスピースで行うことで調整精度を高めて、砥石のアンバランスに由来する振動を削減する。振動が減ることで加工品質や研削盤と砥石の寿命向上につながる。
同技術を活用し、最大深さ15ミリメートルの溝を旋削加工したフランジナットと8―40グラムの補正おもり、バランスピースで構成する補正おもり対応リング「BRENNER(ブレンナー)」を製品化。岡本工作機械製作所の研削盤のユーザーや新規購入時のオプションとして販売する。かいわが製作し、岡本工作機械製作所が販売を担う。消費税抜きの価格は20万円から。
従来、直径355ミリメートル、幅38ミリメートルの60番手の砥石を毎分1500回転させると、2200ナノメートル(ナノは10億分の1)の振動が発生していた。同条件でブレンナーを使用すると15ナノメートルまで低減できるという。
当面、補正おもり対応リングは岡本工作機械製作所の各種研削盤のみに対応するが、順次他メーカーの研削盤にも対応する予定。