カッター産業、超硬合金製エンドミル発売 耐熱合金加工に照準
カッター産業(浜松市南区)は、初の自社商品としてハステロイなど耐熱合金の加工に適した超硬合金製エンドミルを発売した。刃の外径が10ミリ、12ミリ、16ミリメートル、刃形は4枚と6枚で、仕様は計6種類。コーティングは変更可能。消費税抜きの価格は仕様によって異なり8000円から。当面は受注生産で対応し、将来は主力である工具の再研磨事業などに次ぐ新たな柱に育てる。
工具再研磨の顧客から、より耐久性が高い工具を求める依頼を受けて開発に着手した。材料メーカーや加工業者からの情報収集から始め、試作品によるテストを重ねながら、耐熱合金の加工に向いた海外製の特殊材料とコーティング、刃の形状の組み合わせなどを見いだした。
刃形は底刃の角度が不均一な「不等分割」と、刃のねじれの角度が2枚おきに異なる「不等リード」で、加工精度に影響が出る振動を抑制する。開発を依頼した顧客が新開発のエンドミルでハステロイを加工したところ、従来使用品に比べて工具寿命が10倍に延びたという。
松本社長は初の自社製品について、「主要顧客である自動車産業以外に耐熱合金の加工など幅広いニーズを探りたい」と狙いを話す。