ユーベック、クーラント濾過の機構簡易に 小型MC向けシステム
ユーベックは、小型マシニングセンター(MC)によるアルミニウムなどのダイカスト加工で発生するスラッジを、クーラント液と同時に目詰まりなく回収する濾過システムを開発した。回収したクーラント液は精密濾過で処理後、MCの高圧外部ノズルやハイブリッドノズルに送り、繰り返し使える。回収タンク内の清掃や液の交換が不要で、廃棄時に発生する二酸化炭素(CO2)削減にもつながる。
回収したクーラント液とスラッジは、独自技術のコンベヤーと精密フィルターで分離、濾過するだけの簡易な機構とした。ドラムフィルターやサイクロンフィルターなどの装置も使用しない。小型MCのほか旋盤にも対応する。個別回収ポンプは750ワットと小型で、処理能力は毎分120リットル。回収タンク1台の設置面積は0・5×1・5メートルと省スペース化した。
精密濾過したクーラント液は刃具周速より早い流速で高圧外部ノズルやハイブリッドノズルから吐出し、刃具や加工対象物(ワーク)、センサー、機内なども洗浄できる。ツール寿命の向上やクーラント液の腐敗を抑制し、悪臭を抑える。
複数台のMCに対応する集中クーラント方式では、複数のフィルターを稼働中に順次自動洗浄する機能があり、72時間から1週間程度の自動運転も可能。除去能力は20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上でフィルターは1年間保証する。
回収タンクは仕様により1台当たり80万―150万円(消費税抜き)で、濾過装置本体は30―40台接続できる。自動車部品メーカーなどを中心に年間10システムの販売を目指す。