東洋機械製作所、微細精密横型MCの新機種投入 同時4軸仕様
東洋機械製作所は11月に同時4軸仕様の微細精密横型マシニングセンター(MC)の新機種「Th100LP―4」を投入する。
連続加工に適した横型構造としつつ自由曲面の超精密加工を可能とし、微細加工の高度化に対応する。同社は工作機械のOEM受託で培った技術力を生かし、同MCをはじめとする自社製品開発などで新たな事業領域を開拓中。受注変動に左右されにくい事業構造への転換を加速し、安定した事業基盤を構築する。
東洋機械製作所の微細精密横型マシニングセンターは、純銅ローターを用いた独自開発の高効率ビルトインモーターを搭載し、主軸の振れを抑制。切りくずのはけが良く、熱影響が少ないため、金型の電極加工、微細精密部品加工など用途を広げている。2016年に初号機を発売した。
今回投入する「Th100LP―4」は高精度の回転軸A軸を付加し、角度の位置決め精度プラスマイナス0・005度以下で自由曲面の高精度加工が可能。オプションで電荷結合素子(CCD)カメラ式非接触工具自動測定装置の付加などで、主軸が毎分4万回転時でも工具の径と長さの状態を確認可能で、加工精度を安定できる。価格は3400万円(消費税抜き)。ギア加工向けなどに年間10台の販売を目指す。
同社は工作機械を中心に試作モデル、専用機の設計・製作のOEM受託を軸に展開。工作機械の自社開発のほか、事業構造転換に向けては部品加工技術を駆使して23年にも発電用のディーゼルエンジン部品の供給を計画する。
国の補助金を活用して23年6月にユニバーサルヘッド付き5面加工機などを導入予定。投資額は1億5000万円程度を見込む。将来は新たな柱事業にする考えだ。