日本電産マシンツール、高速安定加工の門型MC発売
本電産マシンツールは、1分間に8000回転の高速加工時でも工具の先端位置を安定でき、加工面の工具間段差を3・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に抑えた門型マシニングセンター(MC)を発売したと発表した。
航空機部品やプレスアウター金型など、高精度を求められる大物部品加工に向く。消費税抜きの本体標準価格は9500万円から。年72台の販売を目指す。
投入したのは、主軸の熱伸びを抑制する軸心冷却機能や環境温度変化を受けにくい主要構造体などの熱対策を施した機種「MVR―Hx」。主軸の外筒冷却に加え、内部からも冷却し、高速回転時の主軸熱変位を抑えた。機械を構成する柱(コラム)内に温度制御媒体を封入し、一般的な鋳鉄製コラムに比べ熱容量を8倍に高めた。
一般大物部品加工で多品種少量生産を高効率に行う新機種「MVR―Cx」と合わせ、2026年3月期に全社売上高で現状比約4・3倍の1000億円を目指す戦略機種となる。両機種とも、新開発の操作支援機能を搭載しており、オペレーターの熟練度を問わず操作できる。
同社は21年夏、本社工場に大型工作機械のショールームを新設。実機を見て最適な機種を選べるようにした。