MC用プログラム、3分で作成 アルムがAI活用ソフト
アルムは、CADデータを読み込んで人工知能(AI)がマシニングセンター(MC)の加工プログラムを自動作成するソフトウエア「アルムコード1」を開発した。
従来は図面1枚当たり最大数時間かかっていたプログラミング作業を3分程度で終える。販売価格275万円(消費税込み)で限定500社の「ベータ版」導入企業を募集し、9月に製品を提供する。
500社は航空機や医療、半導体や電子機器関連の中小の加工業を中心に募集する。アルムは保守やアップデートを無償提供し、ユーザーはソフトの効果検証や課題抽出に協力して製品の完成度を高める。
アルムコード1は図面を0・2ミリメートル間隔の断面で形状解析し、ネジやリーマ穴など特殊形状も併せて識別する。次に熟練加工者の経験知を数式化した独自のアルゴリズムで最適な工具の選定と加工条件の設定を行う。最後にAIが工具経路の計算と数値制御(NC)プログラムを自動作成し、加工者に対する段取り指示書を発行する。ネジやリーマなど特殊形状の識別技術は特許出願中で、AIの技術は実用化レベルに達しているという。
アルムは保有する自動化と加工の技術を土台に2014年にAIの開発に着手した。同社の試算では加工コストの5割を占めるプログラム作成作業を自動化し、中小の機械加工業の競争力強化につなげる。MC加工用のアルムコード1を皮切りに、今後対応する加工の種類を旋削や研削にも拡大し、将来はサブスクリプション(定額制)型のクラウドサービスとしてシリーズ展開する方針だ。