中京、MCD工具生産 愛知・豊明工場を刷新
中京は、豊明工場を刷新する。2021年秋の稼働を視野に敷地内に新工場棟を建設し、既存工場から主力の多結晶ダイヤモンド(PCD)工具などの生産を移管。新規事業の単結晶ダイヤモンド(MCD)工具も生産する。主力工場を約50年ぶりに全面刷新し、5年後に20年2月期比約3割増となる売上高16億円を目指す。
新工場棟は平屋・一部2階建て、延べ床面積約2800平方メートル。既存工場からの生産移管を機に、設備レイアウト変更や生産工程の自動化、IoT(モノのインターネット)導入により、生産を効率化する。さらに、作業者の環境改善や事業継続計画(BCP)にも対応し、人材確保につなげる考えだ。
新工場では主力のPCD工具や立方晶窒化ホウ素(CBN)工具に加え、MCD工具も本格生産する。MCD工具は現在開発中で21年春に発売予定。主要取引先である自動車業界が変革期を迎える中、車の電動化や自動運転技術に不可欠なセンサー類やカメラ用レンズ向けに、長寿命で精密加工が可能なMCD工具の需要が高まると見込んでいる。
中京はダイヤモンド工具のパイオニアとして自動車業界向けを中心に事業を拡大し、20年に創立60周年を迎えた。豊明工場の刷新は「100周年に向け、ダイヤモンド工具の総合メーカーとして一歩抜きんでた存在となるための布石」としている。