ミツテック、AIで寸法検査を省力化 測定機向けソフト開発、図面と整合自動判別
ミツテックは、AI(人工知能)を使って加工物の実測データと紙図面を比較するソフトウエアを開発した。加工物の寸法検査を省力化し、作業時間を従来の5分の1に短縮した。同社の非接触3次元(3D)形状測定機「DMS―800」のオプションとして発売。
新開発のソフト「AI紙図面自動読み込みソフトウェア」は複数のAIエンジンを組み合わせて精度を向上した。図面の寸法値や公差と加工後に測定機で測定した実測値の比較表作成や、加工物の寸法が図面通りか否かの判別を自動化する。非接触3D形状測定機向けで同様のソフトは業界で初めてという。従来は数値を手作業で入力する必要があった。労働人口の減少が進む中、検査の負担を軽減する。
紙図面をPDFデータに変換して同ソフトに読み込ませると、外形線や寸法線、寸法補助線を区別し、加工物の長さや穴の直径といった寸法と公差を読み取る。それらをDMS―800による測定値と比較する表が作成され、測定値が公差以内に収まっているかどうかを判定する。
ソフトには大学や民間が無料開放するAIエンジンを複数組み合わせ、図面の読み取りに最適化しつつコストも抑えた。記号や数字、カタカナを区別するAIや、文字を認識するAIなど、AIエンジンごとに特性を踏まえて役割を分担させた。
ミツテックはオプテックスグループの子会社で、画像処理検査装置を手がける。