MOLDINO インサート異品自動検査
MOLDINOは、難削・微細加工向けなどの超硬工具を手がける。成田工場では、インサート(刃先交換チップ)やホルダー(本体)などを生産する。インサートは標準品3000種以上あり、数が多いだけに異品混入、客先での加工不良を回避することが重要だ。検査ノウハウを詰め込んだ異品自動検査装置を導入し、検査工数を削減し、外部からのクレームゼロを継続している。
東京駅から約75キロメートルの距離にある成田工場は、野洲工場などと並ぶ主力拠点。手がけるインサートとホルダーで全社売上高の4割強を担う。炭化タングステン粉の調達に始まり、原料の混合、造粒・乾燥、プレス成形、焼結、研削、そしてコーティング、検査、梱包など複数の工程を持つ。
MOLDINOは顧客に切削加工時間を半減するソリューション「PRODUCTION50」を提唱している。成田工場は製品を作るだけではなく、加工機や加工プロセスの検証・評価など、顧客のモノづくりに資する課題の解決にも取り組んでいる。
工具製造の最終関門の一つが異品検査だ。顧客の生産活動の命運を握るともいえる工具で、不具合品などがあってはならない。同社は異品自動検査装置を2018年から導入。作業を効率化し、人為的なミスなどを回避できるようになった。
成田工場の村尚則品質保証部長は「意図しない型番が入り込むと客先で加工対象物(ワーク)の食い込みや削り過ぎを引き起こす。部品の価値を損なう恐れがあるため、対策を講じている」と話す。
異品とはサイズ違いのほか、コーナーR形状やブレーカー形状、輪郭形状、外観色の違いなどを指す。工具には側面と被削材との間で不必要な摩擦を防ぐ「逃げ角」という隙間が必要だが、それが適切に付けられているかの確認は、工具の上面に隠れ人の目では難しかった。処理能力が向上した最新機種では、裏側からでも逃げ角を容易に確認でき、外周の異状も検知可能となった。
異品自動検査装置では人があらかじめ設定した諸条件に基づき、カメラやレーザーなどを用いて寸法や厚み、刃先高さなどを計測している。併せて将来的なAI(人工知能)の活用も検討している。
人手不足や働き方改革が叫ばれる中、成田工場は30年に向け自動化の目標を掲げる。島添雅浩工場長は「加工の自動化は課題が少なくなく、現場の状況や費用対効果の点から検討する必要がある」と語る。まずは、工程間搬送などの自動化を視野に検討を進めていく。
