牧野フライス、3軸MC向け加工ソフト発売 マニュアル作業自動化
牧野フライス製作所は同社製3軸マシニングセンター(MC)向けの自動加工ソフトウエアを発売した。治具研削工程など、精度要求値が高く熟練技能者が担っていたマニュアル作業を自動化し、高い位置決め精度や寸法精度を技能者の技術に依存せずに達成できる。価格は120万円(消費税抜き)。年間30本の販売を目指す。
新ソフト「スマートツール ゼロボーラー」は牧野フライス製作所製立型MC「V33i」「V56i」で利用可能。主に自動車産業の電気自動車(EV)シフトで需要が拡大する精密順送プレス金型用プレート部品加工向けに販売する。
従来、加工精度を得るためには、加工内容や要求値などを基にした最適なプロセス(加工方法、測定、追い込み加工・加工量)の検討を熟練技能者が行っていた。同ソフトはこれらを自動で行い、プログラム作成まで完了させられる。数値制御(NC)操作画面に組み込んだ専用画面から、必要な設定をチェックするだけで円滑に加工を始められる。
C&Gシステムズ製のコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)システムとの連携が可能。同システムに専用インターフェースを設け、一貫でプログラム作成する。
自動車関連産業はEV化の加速で、モーターをはじめとする大量生産品にはプレス金型などが用いられ、精度要求値が高まっている。従来、熟練技能者がジグ研削盤などで仕上げ加工していたが、金属加工現場の熟練技能者不足が課題となっている。特に研削工程や高精度加工を求める工程で人材・スキル不足が慢性化している。