ナガセインテグレックス、無人化研究を加速 回転加工中の砥石観察
ナガセインテグレックスは、回転する研削砥石(といし)の全幅全周の状態をAI(人工知能)で観察するシステム「グライドアイ」で、加工中も観察できる新タイプを開発した。加工中の砥粒(とりゅう)の状態の変化を把握でき、不良の原因特定、加工中の加工条件の最適制御などが可能になる。早期の製品化を図るほか、熟練技能者の経験知や勘に頼らず超精密研削が無人でできるシステムへの応用を目指す。
研削砥石は砥粒を結合剤で固めてあり気泡もある。砥粒の形状や分布は均一ではなく、加工中にも表面の状態は変化する。また砥石は加工前に加工対象物(ワーク)に合わせて形状を整えるツルーイングやドレッシングも必要。精密研削加工には技能者の経験知や勘が不可欠だった。
既存のグライドアイはハンディタイプ。研削盤に加工前後に設置し、砥石を研削盤から外さず回転させながら加工時に近い状態で観察できる。ただし実際の加工中は、研削液がかかるため使用できなかった。
新タイプは研削液がレンズにかからないよう機構を工夫した。研削盤に常設でき、作業負荷を軽減できるほか、着脱時の誤差発生の心配もない。
ナガセインテグレックスはAIによる研削加工の高度化に取り組んでいる。材料や要求精度に最適な工具の選定や加工条件の設定、加工中の加工条件の補正、不良の原因特定など、熟練技能者の匠(たくみ)の技をAIに置き換える研究もその一つ。加工中の砥石状態の見える化で研究を加速する。
