内山刃物、切削性評価を受託 業種問わず顧客開拓
内山刃物は、樹脂用工具メーカーの技術を生かした切削性評価の受託サービス事業を始めた。対象は工具や機械の性能、素材の加工性、加工の不具合の原因調査など。加工試験を行い、得たデータを解析して製品性能の評価のほか加工条件の改善を提案する。顧客を増やし、2027年4月期に同事業の売上高で25年4月期見込み比4倍の2億円を目指す。
内山刃物は産学連携による製品開発を機に、17年に社内用に切削性評価を行う拠点のR&Dセンタを整備した。
同センターでは切削動力計や工作機械、高速スピンドル、電子・レーザー顕微鏡などを備え、加工後の工具の損耗具合や加工面、切削抵抗などを総合的に評価する。測定装置の使用方法やデータを分析するノウハウは連携先の大学から支援を受け蓄積した。
従来の依頼先は大学の紹介が中心だったが、今後は積極的に業種を問わず顧客を開拓する。評価する加工方法は穴開けや旋削、研削などで、工具は他メーカー製も受け入れる。
対応材料は樹脂や鉄、非鉄、硬脆(ぜい)材、難削材、フィルム、発泡材など。場合によっては工具を試作する。
近年ベテランが引退して、切削不具合の原因調査の技能伝承ができてない現場も多い。また環境規制の強化で既存の切削液が使えなくなるなど、ユーザーが切削性評価を依頼する理由にはさまざまな背景がある。