内藤、高効率の横型転造機 価格3割安、車向け提案
内藤は、丸棒材からネジなどを成形する横型全自動転造機の新機種を発売した。稼働時のさまざまな数値をデジタルデータとして蓄積でき、それらを活用することで稼働率向上につなげられる。主に自動車産業関連に売り込み、初年度10台の販売を目指すとともに販売代理店も募集する。
新開発の「3RTH―H8T」は転造能力8トンで、ステンレスや鉄、アルミニウムなどの素材を成形可能。デジタル制御されたACサーボモーターで駆動する三つのロールダイスが転造によるネジ切り加工を行う。
その際の圧力や角度、加工や送りの速度などをデータとして蓄積。段取りやロールダイス交換時に、加工対象物(ワーク)に適したデータを入力することで作業時間を短縮できる。例えば段取りが月1回、刃物交換が月3回の場合で、既設の転造機に比べて作業時間が8分の1の短縮、稼働率が同22・7%増の効果を試算した。
また、長い状態の丸棒材を挿入してネジ切り加工を行うため、ネジなどの短いものから冷却や熱交換に使われるフィンパイプのように長いものまで、さまざまな長さのワークを扱える。太さもネジでM10からM24、フィンパイプで直径9・5ミリ―25・4ミリメートルに対応する。丸棒材の供給と加工の速度も向上させた。
油圧を利用した一般的な転造機は微妙な圧力調整や段取り替え時などの転造角度の調整が必要で、作業効率や稼働率の低下要因となっていた。
内藤の主力機種は立型で、短く切った丸棒材をロボットが定位置にセットして、ネジ切り加工をして排出するという三つの動作が必要となる。そのため、加工速度や対応できるワークの長さに限界があった。