NKEが新型エアチャック 把持性能3倍、重さ3分の1
NKEは、把持性能が同社従来品比3倍超で、体積と重さは同約3分の1と小型・軽量な新型エアチャック「ウルトラフォース」シリーズを発売した。
顧客が従来と同じ産業用ロボットに新型を使うと軽量化分だけ可搬質量が増やせ、同じ重さの対象物(ワーク)を新型でつかむ場合は以前より小さなロボットで運用可能。また、ワークをつかむチャックの開閉幅が同じだと、把持力は新型の方が高い。
空気圧を使って部品や製品をつかむエアチャックの新型で、把持性能は業界最高という。シリーズはチャック開閉幅が40ミリメートルと80ミリメートルの2種。消費税抜きの価格は22万8000円から。年100台の販売を目指す。
独自開発の新機構の採用で3倍超の把持性能、約3分の1の小型・軽量化に加え、エア消費量と二酸化炭素(CO2)排出量が従来品比で約2分の1と省エネルギー性能も高めた。
重量は開閉幅40ミリメートルタイプで1170グラム、同80ミリメートルタイプが1580グラム。軽薄短小で産業用ロボットや自動化ラインのレイアウトの自由度を高め、限られたスペースへの設置を可能にする。ロボットアームへの搭載性に優れており、工程全体の生産効率向上にも貢献が見込める。
新機構は把持開始時に省エネで動ける細長い小シリンダーと、把持後に力強くグリップするための太くて短い大シリンダーを用いた2段階制御の仕組み。この機構の開発で、太くて長さもある大きなシリンダー一つで全制御を賄っていた通常のエアチャックと比べて小型、軽量化できた。
ロボット停止時の慣性力の影響も小さくでき、ブレの抑制やスムーズな動作でタクトタイム短縮にもつながる。
