NTN、アジアに新開発拠点 候補地はインド・タイ
NTNはアジア地域で、同社として世界第5極目となる研究開発拠点の新設を検討する。モータリゼーション加速が期待されるインドと、日系車メーカーが多く進出して生産台数増が見込めるタイが候補地。複数の自動車メーカーがアジアに設計機能を置いており、現地主導の開発車は今後増える見込み。これに対応するため、早ければ2020年度の設置を検討する。
NTNはグローバル化を推進する中で、現地の材料や部品、設備を用い、現地の人が開発、生産、販売する「現地・現物・現人」方針を掲げる。この考えに則り、日本、米国、欧州、中国に研究開発拠点を置いて、世界4極体制で顧客ニーズに対応してきた。
自動車メーカーは開発の現地化を進めている。すでに米国では現地化比率が高まっており、アジアでも同様の流れが想定される。車メーカーが現地で本格的な設計を始める前に研開発究拠点を設けて人材教育も進める。拠点設置は現地で最適な材料開発を進める狙いもある。NTNは同社の基準を満たして供給できる先を探して調達しており、アジアに複数ある生産拠点での現地調達率は約8割にのぼる。
アジアは経済発展で技術レベルも底上げされている。開発拠点には材料評価部門も置き、現地企業を育成しつつ、機能・精度・価格にも着目した調達活動に深化させ、現地調達率を一層高める。