NTN、22年から車部品モーター量産 電動化対応
NTNは自動車の電動化需要に対応し、2022年から高性能ブラシレスモーターを量産する。自社の電動オイルポンプなどの構成部品として販売する。21年をめどに磐田製作所(静岡県磐田市)にモーターから電動オイルポンプまで一貫する量産ラインを新設する。NTNの車用モーター量産は初めて。電動モーター・アクチュエーター製品群として25年度に現状比6倍以上となる130億円の売上高を見込む。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など車の電動化が進むと、従来はエンジンで動かしたオイルポンプを電気で動かす必要がある。運転者によるシフトやブレーキの操作を電気信号で伝達しアクチュエーターで駆動する機構も需要が増える。
NTNはこれらの需要を電動モーター・アクチュエーター製品群で取り込む。製品性能を支える基幹部品のモーターは自社で量産する。車向けの同製品群としては回生ブレーキ機構用の油圧調整装置などを量産しているが、モーターは含んでいない。22年初頭をめどにモーターを量産。車用電動オイルポンプとして供給し、製品群を順次拡充する。
量産を始めるブラシレスモーターは高出力とコンパクトが特徴。磐田製作所にはモーターの試作ラインも稼働済みで、既存の他社製品より高い性能を出すめどを付けたという。
受注が増えればモーターは海外などに生産委託する可能性もあるが、設計は自社で担う考え。量産体制を確立しておくことで品質の抑えどころを把握でき、生産委託する際の交渉力にもなる。