OSG、米に航空機研究施設 次世代材料向け工具開発へ
OSGは米国西部に航空機産業向け切削工具の研究施設を年内に建設する。オレゴン州ポートランドにある航空機関連の産学官連携機関「OMIC R&D」敷地内に設ける。米ボーイングが主導するOMICとの関係を深め、次世代航空機部品の材料加工に適した切削工具の開発を目指す。投資額は非公表。工具の再研磨などアフターサービス拠点としても活用する。
OMICは2017年にボーイングとオレゴン州の企業・大学を中心に発足し、OSGも参画する。現在は技術者を随時派遣しているが、年末に完成する研究施設に常駐することで、研究開発の促進を狙う。人員や具体的な研究開発内容は今後決める。
OMICを通じてボーイングの次世代航空機材料の戦略を把握し、採用拡大が見込まれる材料向けの切削工具を開発する。事業に直結する研究開発を目指す。
航空機の機体部品では、軽量化のため炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の採用が広がる。金属部品ではCFRPとの相性により、アルミニウムからチタンへの移行が進む。こうした材料トレンドが将来どのように進むか研究する。
オレゴン州はボーイングの主力工場があるワシントン州に隣接し、同社のサプライヤーもいるとみて、工具の再研磨などアフターサービスも提供する。
OSGは主力の自動車向けに次ぐ柱として、航空機向け切削工具を伸ばす戦略を取る。研究開発機能も強化し、事業拡大につなげる。