OSG、インドに新工場 工具コーティングで合弁
OSGはインドで切削工具の性能を高めるコーティング事業を始めた。現地の工具メーカーと差別化し、売り上げを拡大するため、プネー県にコーティング専用の合弁工場を稼働した。サービス強化により、「現在、年商約20億円のインド事業を早期に50億円に育成したい」としている。
現地の表面処理企業と折半出資し、新会社「プリムコートPVDテクノロジー・インディア」を設立した。資本金は1億5200万ルピー(約2億3000万円)。投資額は約2億6000万円。切削工具を中心に物理気相成長(PVD)コーティングのサービスを展開する。
インドには中小の切削工具メーカーがひしめくが、難しいコーティングができる企業は少ない。OSGは現地でドリルやドリルの特殊品を生産しながら、自社製品以外のコーティングも行う“ジョブコーティング”に力を入れる。窒化チタンコーティングや窒化チタンアルミニウムクロムコーティングのほか、顧客の要望に応じて、柔軟なコーティングサービスを行う。顧客から受け取った後、24時間以内に配送する即納体制も整える。
生産性向上につながるコーティング工具の需要は世界的に高まっている。同社は新城工場内のコーティング設備を増強するほか、群馬県太田市と兵庫県明石市にもコーティングのサテライト工場を持つ。海外では米国やメキシコ、ブラジル、台湾などでジョブコーティングに取り組んでおり、さらに拠点を拡大していく方針だ。