OSG、切削加工に「廃食油」 工作油への再生利用実証
OSGはタップを生産する八名工場で植物由来の廃食用油を加工に使用する実証実験を始めた。前工程の荒ネジ転造加工でテストし、切削工程での検証を進める。
廃食用油を工作油に再利用するのは全国初という。良い結果が得られれば今後、他工場にも展開していく。
廃食用油から不純物を取り除き、複数の廃食用油などを混ぜ合わせることで、日本産業規格(JIS)に適合する工作油とする。鉱物油と比べコスト高だが、油の引火点が高いため燃えにくく、火災発生リスクは低くなる。斎藤塗工店(愛知県豊橋市)の依頼を受け、実証実験を始めた。
八名工場の乗松顕太朗製造技術担当は「これまでの結果は良好で、加工における工具品質にも問題はない」としている。植物由来であるため、作業者に優しく、日本政府が打ち出したカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の目標にも貢献する。
大沢二朗常務執行役員は「安価で大量に使用している鉱物油をすべて置き換えるのは難しいが、廃食用油の再生利用を進め、環境に優しい取り組みに挑戦したい」としている。