OSG、台湾でタップ3割増産 21年めど月60万本体制
OSGは台湾で、ねじ切りに使うタップを現行比3割増産する。2021年の稼働をめどに台湾工場に新工場棟を建設し、タップの生産能力を現在の月間45万本から同60万本に引き上げる。総投資額は約40億円。自動車や建設業界などで需要が旺盛なナットタップを増産し、欧米やアジアへの輸出基地とする。
台湾工場で第3棟目となる新工場棟を年内にも着工する計画。同工場で生産するタップは切りくずの出ない転造タップが月産20万本、雌ネジを加工するナットタップが同17万本、残りがその他タップ。
うちナットタップはOSGが世界で生産する同25万本のうち、台湾が約7割に当たる同17万本を占める。このため新工場でもナットタップを中心に増産し、カナダやイタリア、インド、トルコ、中国などへも輸出する方針だ。
同社は19年11月期に220億円の設備投資を計画。愛知県新城市に小ロットの特殊品と量産品の生産を両立する最新鋭の工場を建設するほか、海外では台湾以外にメキシコやドイツでもタップやエンドミルを増産するなど、世界で生産増強を進めている。
一方、米中貿易摩擦で世界経済の先行きが不透明なことから、「19、20年の2年間で320億―330億円の設備投資を計画通り行うが、時期は柔軟に対応したい」と慎重な姿勢も見せている。