OSG、超硬切削具を増産 工場刷新・グループ分業で供給強化
OSGは超硬エンドミルの生産体制を増強する。大池工場を建て直して量産しやすい体制を整えるとともに、グループ会社のエスデイ製作所(茨城県常総市)が小ロット向けの新工場を建設する。グループ内をまたいだ生産分業によって、超硬エンドミルの供給強化を狙う。総投資額は詰めているが、OSGの大沢伸朗社長は「80億円ぐらいまでに抑えたい」としている。
大池工場のリニューアル工事は2024年に着工。工場の稼働と工事を並行して進める考えだ。エスデイの新工場は23年内に着工する計画で、稼働時期は未定。
大池工場はデジタル技術を取り入れた自動化を進め、「効率性を追求した新しい工場にする」。一方、生産コストが高く、作るのに手間がかかる小ロットの製品についてはエスデイの新工場が担当する分業体制を敷く。大池工場の建設資金調達にはグリーンボンド(環境債)発行を検討している。
OSGの22年11月期連結決算は売上高が1425億円(前期比13・0%増)で過去最高だった。23年11月期連結は、それを上回る1450億円(同1・7%増)を予想しており、好調な業績が続くと見込んでいる。成長分野として微細精密加工の需要の取り組みに注力しており、超硬エンドミル生産の拡充は、その施策の一環となる。