OSG、盛り上げタップ新形状 長寿命でCO2半減
OSGは塑性変形によってネジ山を作る工具の盛り上げタップについて、従来の形状を一新し、新しいメカニズムで加工する「グリーン・タップ」を開発した。独ハノーバーで開催中の欧州国際工作機械見本市「EMOハノーバー2023」で初公開した。従来より長寿命化するとともに、新たなタップ製造法の採用によって生産時の二酸化炭素(CO2)排出量を半減できる。2024年内に発売する予定。
グリーン・タップには、一般的な盛り上げタップにある直線状の溝がなく、「刃の山が出現と消滅を繰り返す」という特殊な形状をしている。これを穴に押し当てることで、従来の盛り上げタップとは異なるメカニズムでネジ山を形成する。従来品より長寿命化できる利点がある。
またタップの製造方法も新たに開発。製造時のCO2を半減でき、工具自体が長持ちすることによる廃棄量の削減とあわせて、環境負荷低減に高い効果を発揮するという。
開発を主導した溝口氏は「盛り上げタップが誕生してから大きく形状が変わることは今まで一度もない」と語る。開発ではコンピューター利用解析(CAE)を活用して、実物による試行回数を減らすなどの省力化に成功した。