パーカー熱処理、窒化処理を高精度管理 鋼材表面硬化の品質安定
パーカー熱処理工業と広築は、鋼材製品の表面硬化に用いる制御窒化処理設備を共同開発した。人が行っていた炉内雰囲気の定点管理に代わり、高度なフィードバック制御によるリアルタイム管理を実現。管理の精度向上で、人の練度や操業環境に左右されない安定した品質を再現できる。価格は加工物のサイズに応じて5000万―1億円程度を想定。金属加工メーカーを中心に初年度5台の販売を目指す。
開発した設備は、広築製の真空パージ式横型窒化炉「RAV―N」と、パーカー熱処理工業製の窒化ポテンシャル制御ユニット「NITRONAVI」で構成する。処理状況の履歴をデータで保存可能。さらにさまざまな鋼材製品に求められる耐摩耗性、耐食性、耐疲労性などの製品特性に合わせた最適なレシピを両社が開発・提供することで、ユーザーの競争力向上に貢献する。
高品質・低コスト化のニーズに加え、環境負荷低減、生産現場の労働力確保などの社会的課題に対応するため、両社の独自技術の強みを活用。窒化処理が本来持つ可能性を最大限に引き出すことを目指した。