刃先にPCD、穴開け加工のバリ低減 三友精機がドリル開発
三友精機は、刃先とボディーが一体型の多結晶ダイヤモンド(PCD)ドリルを開発した。PCDを採用した刃先部分を再研磨すれば工具の長寿命化につながる。穴開け加工の実験でダイヤモンドコーティングドリルに比べてバリの発生が少ないことを確認した。航空機部品の加工用での採用を見込んでおり、近く製品化する計画。
群馬県立東毛産業技術センターの有馬東良センター長らとの共同研究によって開発した。超硬工具のボディーと、PCDで作った長さ2・5ミリメートル程度のねじれ形状の刃先を結合させた。
PCDを使った工具には、刃先部分にコーティングしたタイプや交換式があったが、今回のように一体型でねじれ構造の刃先は珍しいという。刃先を再研磨することで、コーティングしたタイプなどに比べて工具寿命の延長が期待でき、コスト低減にも役立つ。
東京理科大学理工学部の荻原慎二教授の協力の下、直径6ミリメートルのPCDドリルを使って、厚さが2・4ミリメートル程度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層板に穴を開ける実験を行った。その結果、ダイヤモンドでコーティングした同じ径の市販のドリルに比べてバリの発生を大幅に低減できることを確認した。
直径0・3ミリ―6・5ミリメートルまでの製品を生産できる体制を整えている。航空機部品で使用するCFRPやアルミニウムの穴開けでのニーズを想定しており、依頼に応じてサンプル出荷を行う。