切りくず処理負担減 ユーベックが高圧ノズル
ユーベックは、アルミニウム合金など軟削材料の穴あけ加工で発生する切りくず、バリの処理負担を軽減する独自技術を開発した。毎分40リットルのクーラント液を15メガパスカル(メガは100万)程度の高圧で吐出するノズルを新規開発し、ヘリカル穴あけ加工と組み合わせて実用化した。処理時間はドリル穴あけ加工の約半分程度としている。自社製の精密濾過装置と組み合わせたシステムで販売する。
電気自動車(EV)用部品に多く採用されるアルミニウム合金などの軟削材料は、穴あけ加工時に切りくずが長くつながって排出されるため処理に苦慮していた。
新技術は高流速、大流量でクーラント液を刃具先が加工対象物(ワーク)に接する「逃げ面」に確実に当てることで、切りくずを細かく破砕して排出処理を容易にする。
摩擦熱も蓄積しにくくなり、刃具の長寿命化につながる。マシニングセンター(MC)内部で使う治具やロボットなどにスラッジが付着せず、短時間の設備停止(チョコ停)も防ぐ。
切りくずは独自の精密フィルターを使用して長期間、交換不要とする自社製濾過装置に回収する。使用するMCの機種が異なっても集中クーラント方式により、切りくず回収、給液、濃度管理も必要ない。
消費税抜きの価格は、小型MCを30―50台連結した集中クーラント方式の場合で精密濾過装置本体が5000万円程度。自動車部品メーカーなどに年間5システムの販売を目指す。
