切削解析、数十分に短縮 データ・デザイン、独製ソフト投入
データ・デザインは、解析時間が短く、ギア加工にも対応する切削解析ソフトウエアを発売開始した。
従来解析手法の有限要素法(FEM)では数日かかる解析を、独自のアルゴリズムによって数十分で実施できる。電気自動車(EV)化で増えるギアスカイビング加工の需要を取り込むとともに、解析の短時間化により解析ソフト導入のハードルを下げることで国内市場を深掘りする。
発売したのは独Tetralytix(テトラリティクス)が開発した「Toolyzer(トゥーライザー)」で、日本国内向けにデータ・デザインが日本語化した。同ソフトの国内販売は初めて。
一般的な切削解析に用いるFEMではなく、3方向デクセルモデルという手法を用いた独自のアルゴリズムで解析。FEMではほぼできなかったギア加工の解析にも対応する。
3次元形状加工時の切削工具の複雑な動きを再現し、個々の刃先にかかる応力を高精度に解析する。切削工具の各部分と加工対象物(ワーク)の距離などが分かるため、加工の最適条件の算出や切削工具の試作・開発に要する時間を短縮できる。
また、複雑なスローアウェイ(刃先交換型)工具なども短時間で解析可能。解析時間の短縮で製造プロセス開発のデジタル化を推し進める。切削工具や工作機械のメーカーのほか、切削加工を行う部品加工会社向けに広く提案する。
データ・デザインは、製造業向けのコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)、コンピューター利用解析(CAE)や、3次元技術を用いた閲覧システムなどの開発、販売を手がける。