切削油濾過、新液と同等 ユーベックがMC用装置発売
ユーベックは、小型マシニングセンター(MC)用に、クリーン液槽内でも循環濾過することでクーラント液(切削油)中に微細異物やスラッジが残らない精密濾過装置を発売した。独自の精密フィルターを使用し、長期間、新液と同等の機能性を維持できる。複数台のMCに対応する集中クーラントにより、毎日の切粉回収や給液、濃度管理も不要となり、点検や清掃作業を低減しコスト削減につなげられる。
取り付け配管工事を除いた標準価格は、集中クーラントで30―50台連結したMCの場合、1台当たり300―350万円(消費税抜き)。自動車部品メーカーなどに年間10システムの販売を目指す。
ノズル径が1ミリ―2ミリメートルのホルダースルーやスピンドルスルーでも、濾過したクーラント液を2メガパスカル以上の高圧で吐出する。特にホルダースルーは刃先に直接クーラント液を吹き付け、加工対象物(ワーク)に角度や傾斜があっても死角がなくなり深穴や複雑形状での切粉を除去できる。
毎分30―40リットルのクーラント液で吹き流し、高能率の切削加工と同時に洗浄機レベルでスラッジを除去する。摩擦熱が蓄積しにくく工具寿命が2倍以上に延びるという。
高圧クーラントはMCの高圧配管を利用するため、大型タンク不要で省スペース化が可能。切削加工後の洗浄工程をほぼ脱脂のみに簡素化できる。
回収タンク底部のコンベヤーで沈殿物を除去後、円筒状カートリッジフィルターで循環濾過し、20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上の微細異物を取り去る。