日本電産マシンツール、切削工具の外観検査装置外販 自社開発2種を商品化
日本電産マシンツールは、切削工具用の外観検査装置を外販を開始した。自社製工具の品質検査用に開発した装置を商品化し、顧客と工具メーカー向けに販売開始。目視で行っていた外観検査を自動化できる。検査時間の短縮が見込めるとともに、摩耗状態などの適切な把握により、工具使用期間の長期化や生産性向上にもつなげられる。
日本電産マシンツールは歯車機械や門型5面加工機などの工作機械事業のほかに、歯車加工用のホブやシェービングカッター、ブローチなどの精密切削工具も生産・販売している。今回の外販は、工具のサポートサービス向上の一環。工具メーカーとして、自社開発している検査装置の外販は初めてという。
販売する検査装置は、ホブ用の「ロボットカメラスピード」とブローチ用の「ロボットカメラマックス」の2機種。標準価格は各4000万円(消費税抜き)で、2機種合わせて年間5台の販売を見込む。
工具の切れ刃をデジタルカメラを用いて高速・高精度に撮影し、画像データとして保存。工具の性能などを入力することで、さまざまな形状の工具の撮影箇所を決めて、切れ刃先端の欠損やコーティングの剝がれ、摩耗状態など外観の正常・異常を判定する。同社では検査時間を10分の1以下に短縮できているという。
ロボットカメラスピードは、ストレート刃溝とスパイラル刃溝、外径20ミリ―130ミリメートル、全長50ミリ―350ミリメートル、重量20キログラムまでのホブカッターに対応する。ロボットカメラマックスは、最大直径200ミリメートル、長さ2300ミリメートル、重量300キログラムの大型・長尺の工具を搭載可能。ストレートやヘリカルなど刃並びを問わず撮影できる。
ユーザーの工具外観検査は目視で行われることが多い。その際、工具の摩耗量が許容範囲であっても交換してしまったり、欠損の見落としによる品質不良につながったりする課題もあるという。