日本精工、軸受研削ライン自動化 大型品搬送・測定機を導入
日本精工は今月より軸受の研削ラインの一部を自動化する。7月から段階的に自動測定機を導入し、2022年から導入を進めている加工対象物(ワーク)のライン内自動搬送に加えて、測定工程も自動化する。日本精工は22年度からの5カ年中期経営計画で、26年度に生産性を21年度比1・5倍に高める方針。各工場で生産性が高い次世代モデルラインの構築に取り組んでおり、今回の自動化はその一環となる。
インフラ向け中心に大型軸受を生産する藤沢工場桐原棟で、研削ラインの一部を自動化する。従来も工程間の無人搬送車(AGV)など複数の自動化に取り組んでいたが、既存研削ラインの設備間搬送と測定作業は手作業だった。自動搬送機と自動測定機の導入が完了する9月以降は段取り替え以外で人手が極力かからなくなり、現行より少ない人数で複数ラインを担当できる。
大型軸受の研削ラインでは、ワークの単体重量が40キログラムに迫るものもある。手作業ではクレーンなどの荷役設備が必要となるため、今回の自動化は省人化以外にも従業員の安全性、設備稼働率向上といった付随効果が見込める。藤沢工場桐原棟では26年までに同じ構成の4ライン内で搬送・測定の自動化を計画する。このほかの施策も含め、藤沢工場では26年までに生産性を21年度比1・7倍に高める方針。
日本精工は中計で「生産の超安定化」を掲げる。生産現場のオペレーターや保有設備、サプライチェーン(供給網)に至るまでを最適化することで経営資源を強化する狙いだ。