日本中古計測器、研究用機器リユース拡大
研究などで使う分析機器や計測器の買い取り、販売を手がける日本中古計測器。6月1日に社名を変え、事業を社名にすることで顧客への認知度を高めたい意向だ。
日本は研究用の理化学機器や計測器はほぼ廃棄され、持続可能な開発目標(SDGs)に逆行しているという。同社が扱う中古機器は約3万点。認知度を高めて買い取り点数を増やし、リユース市場を拡大して持続可能な社会の構築に寄与したいと意気込む。
日本中古計測器は2013年に旧社名のディルウィングスとして設立した。計測器や分析機などは種類を問わず一括で買い取り、動作確認やクリーニングなどを行い販売するビジネスモデルで、2025年5月期の売上高は約6億7000万円。前社長の伊藤翔太取締役は「買い取り商品が命なので資金がいる。さらなる業容拡大には資金が必要だった」と振り返る。
そんなとき、貴金属買い取り販売のアクスバークルがニッチな事業を求めて買収を打診した。伊藤取締役は「資金に加え、企業の信頼性が高まり大企業と取引できる。良い話だ」と判断、2月にアクスバークル傘下に入った。
アクスバークルでは貴金属の目利きを担当していた倭文社長は、経営者のキャリアは浅いが、他企業を経営するなどのノウハウを持つ伊藤取締役と二人三脚で成長を目指す。
中古計測器は計測精度を保証していなくても買われる。資金に余力がない研究室や、分解して部品を使うといった用途がある。重要なのは各種機器を仕入れることだという。倭文社長は中古市場の認知度が高まり、企業が積極的に分析機器を売ってくれるようになれば、自社の成長だけでなく、廃棄物削減につながると訴える。
日本中古計測器は大手メーカーOBの顧問による買い取りの営業活動を積極化するほか、ホームページや買い取りサイト「ソクラボ」を更新した。