日清工業、両頭研削盤の精度30%向上 40年ぶり全面改良
日清工業は、両頭平面研削盤の主力機種を約40年ぶりに全面改良し、2025年内に受注を始める。
加工精度を担保するベッドの剛性を構造の一新などで同社従来機に比べて30%高めたほか、外観デザインを刷新した。価格は個別見積りだが、機構の見直しなどで従来機と同等に抑えた。新機種の投入で主力市場の自動車業界に続く新市場を開拓し、年30台の販売を目指す。
両頭平面研削盤は加工対象物(ワーク)の平行2面を同時に研削する機械で、日清工業はトップメーカーの一翼を担う。現行の主力機種「V―5」は基本設計をそのままに一部改良を重ね、およそ40年販売してきたベストセラー機。
ただ、主力市場の自動車業界は電動化の進展など変革期を迎え、一層の成長には新市場の開拓が急務だった。そこで主力機種の設計を一から見直し、幅広い業界のニーズを反映した。主力機種を設計から変更するのは今回が初めて。
新機種「VNX―585i」は、周辺機器のレイアウトを最適化するなどして設置面積を従来機に比べ30%削減。生産ラインに組み込みやすくした。
また、砥石(といし)の表面を修正し研削性能や精度を維持する周辺機器「ドレス装置」の動力を油圧から電動サーボモーター駆動に変更。砥石修正能力を安定化しつつ、メンテナンスの手間を大幅に軽減する。
外観のデザインも洗練されたカバーを採用するなど刷新した。特に欧州市場では機械の外観を重視する傾向があり、従来機では同市場を深耕しきれていなかった。加えて製品はオーダーメードのため、従来は納期1年ほどを要していた。新機種は仕様の統一化や組み立て工程の改善で、納期の半減につなげる。