日系工作機械メーカー、欧での工場自動化に貢献
日本の工作機械メーカーが欧州市場で工場自動化(FA)に貢献する製品を相次ぎ投入する。牧野フライス製作所は工作機械と周辺機器をつないだ自動化システムの制御やデータ活用をするソフトウエアを刷新する。ヤマザキマザックはパレット搬送型の自動化システムで工作機械の長時間の無人運転を支援する。欧州では労働需給の逼迫が続き、賃金上昇圧力も強い。生産現場の改善を後押しし、経営課題の解決に貢献する。
牧野フライス製作所はFAソフト「MAS―NX」を10月末に国内外で発売開始した。従来と比べ生産スケジューリングと工具管理機能を大幅に刷新。72時間先までの生産の進捗を「見える化」することで、現場の作業者が次に何をすべきかを明確に管理できるようにした。具体的にはロボットを活用した加工対象物(ワーク)の取り付けや、面取り、仕上げ加工といった工程ごとにかかった時間などを細かく把握できる。
製造現場では加工を含めたシステムの制御プログラムを自動生成して活用する動きが広がる一方、加工中の工具動作などを細かく把握するニーズが高まる。また同じ機種、同じ加工プログラムで、同じ素材のワークを加工しても、機種間で加工時間などに差が出ることがあり、こうした機差の把握や要因分析を支援し、生産の効率化に貢献する。
ヤマザキマザックは欧州で工場内の生産システムや物流システムと工作機械を連携させるパレット搬送型自動化システム「パレテック」の販売を本格化する。必要な素材や工具を無人フォークリフトが自動搬入することで、従来よりも長時間の無人運転を実現する。オークマは旋盤に工作機械内蔵型のロボットシステム「アームロイド」を組み込んだ機種や、協働ロボット、立体フレキシブル生産システム(FMS)などの提案を積極化する。