入野機工、内面研削盤「再製造」 最新機能を安く
入野機工は、過去に販売した内面研削盤を引き取って最新機種にリマニュファクチャリング(再生)する事業を始めた。
古い機械に使われていた鋳造部品などを再利用しながら、デジタル技術で研磨を効率化する新機能を追加した最新機種に作り直して販売する。精度も新機同様に調整する。新機よりも安価に供給して長年のユーザーのニーズに応える。原材料価格が高騰する中、資源の有効活用にも結びつける。
新事業は修理サービスとは異なり、古い機械を分解して主要部品を再利用し、組み立て直した機械を「再製造機」と位置付けて販売するもの。
再製造機ではベッドなどの鋳物部品を再利用し、ハンドルなどの金属部品も状態によって再利用の対象とする。一方、電装系の部品はすべて新品に取り換える。その上でセンサーやタッチパネルなど新機能関連の部品やユニットを追加し、新機同様に組み立て、精度を調整して販売する。
入野機工は創業70年以上の内面研削盤メーカーである旧山田工機(横須賀市)の事業を継承して2020年に設立。24年に山田工機製の汎用内面研削盤「YIGシリーズ」を改良し、汎用機ながら数値制御(NC)機相当の機能を持つハイブリッド精密内面研削盤「IIG-20H」(ベースモデルの消費税抜き価格は2200万円)を投入した。今後、YIGシリーズのユーザーから機械を引き取り、IIG-20Hに再生する取り組みを推進する。
ユーザーは新機よりも安価に購入でき、修理に比べて設備投資関連の補助金を活用しやすい利点もある。再製造機は既存のユーザー以外も購入できる。