ソディック、大型機で表面粗さRz0.6μmの高精度加工 型彫り放電加工機に新モデル
ソディックは中型機並みの高い加工精度を実現した大型の型彫り放電加工機を開発した。従来の大型機に比べ、X軸の移動量を約70%増の2000ミリメートルに拡大するなど大寸法の加工対象物(ワーク)に対応する。表面粗さは約40%増のRz0・6マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に向上させた。自動車ヘッドランプユニット金型の補強部であるリブの加工への採用を目指す。価格は6300万円(消費税抜き)。1日に発売し、年販6台を計画する。
開発したのは放電加工機「AG200L」。最大10トンのワークに対応し、X・Y・Z各軸の移動距離は2000ミリ、1200ミリ、800ミリメートル。ヘッドランプユニットは、形状の複雑化や多機能化で寸法が大きくなる傾向にある。そのため金型加工に大型機が必要だが、従来機はガントリー型と呼ばれる構造で表面粗さもRz1・0マイクロメートルだった。もう一段高い精度の製品を求め開発した。
精度に利点がある中型機のC型構造を応用した。前後動をするY軸を「Y1軸」と「副軸Y2軸」の計2軸にし、上下に重ねてスライドする構成にした。Y1軸を加工用に、Y2軸を移動用にそれぞれ使う。加工点までは主にY2軸で移動し、最終的な位置調整と加工を軽量のY1軸で行う。先端を軽くしたことで前のめりにならないよう姿勢を保て、さらに応答性が良く、高い精度を発揮するという。
C型のベース機のX・Y軸の移動量は、1200ミリ、650ミリメートル。新型機は面積比で約2倍、加工タンク空間容積比で3・2倍の大型ワークに対応する。