三菱マテリアル、日独拠点でスクラップ処理拡大 レアメタル再利用
三菱マテリアルは超硬工具向けタングステンの2030年度のリサイクル原料使用率100%に向けて、日本とドイツの拠点でスクラップ処理量を従来比数十%高める。米国でも処理能力の強化を検討する。タングステンの原料調達は中国の輸出規制強化などの資源リスクを抱え、価格高騰や需給逼迫(ひっぱく)に直面しており、中期的に課題を解決する。相場状況などを注視しつつ、設備投資を前倒しする可能性もある。
三菱マテリアルは世界市場を取り巻く環境変化を受け、「中期経営戦略」を練り直し、30年度までのタングステン製品生産でのリサイクル率を従来の80%から100%に引き上げた。同リサイクル比率は現在60%を超す。
使用済み超硬工具などのスクラップ処理能力の増強は、完全子会社の日本新金属(大阪府豊中市)の秋田市の工場と、傘下に入れたエイチ・シー・シュタルク・ホールディングス(HCS)のドイツ拠点でヤードや処理装置などを拡充する。具体的な時期は未定だ。
一方、米国では、三菱マテリアルの米国法人に26年4月に新設した資源循環事業部が、HCSと連携し今後の強化策を検討していく。
超硬工具に使うタングステンは希少金属(レアメタル)の一つ。主要産出国である中国からの鉱石由来原料の調達は10年ごろの尖閣問題や、関税をめぐる米国との対立に端を発した25年の輸出規制強化でリスクが高まった。
三菱マテリアルの小原和生執行役常務加工事業カンパニープレジデントは、「地政学的状況を見極めながら、中国由来品に頼らなくてもいいように準備を進める。国内での秩序あるスクラップ回収の促進も重要なテーマだ」としている。
