サンワ金型、生産能力1.5倍 新工場11月稼働
サンワ金型は、同市内に建設中の新工場を11月に稼働する。同社は試作から金型製作、メンテナンスまでを一貫して手がける。電気自動車(EV)の拡大で生じる新たな金型需要を取り込むため、従来よりも高精度な加工を可能にするとともに、メンテナンス事業も強化する。新設備の導入で生産能力を従来の5割増にする計画。投資額は新本社工場の土地と建物、新規設備を合わせて約8億円。
新工場は2階建てで敷地面積は5207平方メートル。建築面積は732平方メートル、延べ床面積は824平方メートル。導入する設備はマシニングセンター(MC)や研磨機、ワイヤ加工機など合わせて9台。新設備の導入で、従来プラスマイナス10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)までだった精度を、プラスマイナス2マイクロメートルまで高められる。これにより、EV拡大で需要増を見込むセンサーやモーターなど高精度が必要な金型加工の受注を狙う。
サンワ金型は主に自動車部品の金型製作を手がけるが、今後は製品試作・メンテナンス・部品供給事業に力を入れる。新工場は10年以内に3期工事までを計画し、今回は1期目。1期工事の生産能力増強によりメンテナンス事業を拡大し、2026年5月期までに現状の5割増の売上高10億円を目指す。
2期工事では製品試作事業の拡大のため、共同開発する顧客が常駐できるシェアリングファクトリーを計画。
3期工事で部品供給事業の充実のため商社機能を強化する予定だ。