シチズンマシナリー、四角いワーク対応の旋盤 加工効率化を提案
シチズンマシナリーが加工技術の提案に力を入れている。このほど加工径が最大80ミリメートルの自動旋盤を開発。旋盤でありながら電気自動車(EV)向け部品などで見込まれる四角い加工対象物(ワーク)への対応を訴求する。超音波を旋盤加工に応用し、脆性材料の効率的な加工なども提案する。工作機械を中心に加工技術や前後工程を含めて一体支援することで、加工に関わる幅広い課題の解決に貢献する。
主軸台固定型コンピューター数値制御(CNC)自動旋盤の「ミヤノ」ブランドの旗艦機種「ABXシリーズ」を刷新することを発表。最大加工径80ミリメートルのモデル「ABX80THY」を追加し、2024年10月から発売する。設計の工夫などで同64ミリメートルの正面主軸の搭載機種と同じ機械サイズを実現した。
EVでは電池やモーターの冷却用などで「新たな部品加工需要が見込まれている」という。シチズンマシナリーではABX80THYでミーリングの加工技術を提案し、四角い大型ワークの加工に対応する。
超音波を活用した旋盤加工機も開発。脆性材料の石英ガラスの加工時間をマシニングセンター(MC)と比べ大幅に短縮できる技術を訴求する。また切削液(クーラント)を超微細な粒子として噴霧する「エアロゾル加工」も開発し、独自の切りくず分断技術「LFV(低周波振動切削)」と組み合わせることで、切削液の使用量削減などを提案する。