シー・ケィ・ケー、レーザードーピングで長寿命化した超硬切削工具量産
シー・ケィ・ケーは、超硬合金に微量の他元素を加えるレーザードーピング(LD)によって長寿命化を実現した超硬切削工具の量産に乗り出す。LDの作業を協働ロボットで自動化する生産ラインを2024年から稼働する。現在は月間数百本の生産能力を同3万本程度に高める。これにより、今春に始めたLD関連事業を軌道に乗せ、同事業の売上高で5年以内に10億円を目指す。
LDは金属材料に他元素を塗布した後、レーザーを照射して母材の性質を制御する技術。超硬工具の表面処理に応用する方法を、シー・ケィ・ケーと名古屋工業大学が共同で開発した。
硬質材料で構成するドーピング材を塗布してからレーザー照射することで、工具寿命を標準品の3倍以上に伸ばせる。これによって長寿命化した工具を製造販売するほか、顧客の工具にLD処理を請け負う事業を開始した。ただ、現在は手作業が多いために生産量が伸びず、事業拡大のネックになっていた。
新たに構築する生産ラインでは、ロボットが硬質材料を塗布した工具をつかみ、その先端にレーザーを照射する。工具は回転させて先端にまんべんなくLD処理を施すようにして、一連の作業を自動化する。
同社は超硬工具の設計・製作・販売がメーンで、23年8月期の国内の売上高は18億円程度の見通し。今後、LD関連の事業を成長の原動力にする方針だ。