システム提案で自動化対応を後押し コガネイ、ロボ用ツール拡充
コガネイは、2021年にロボットを使って工場自動化(FA)の課題に対応する専門部署を新設した。自社開発のハンドリングツールやオートハンドチェンジャー、アダプター、誤差吸収ユニットといった豊富なロボット用製品を組み合わせたソリューションを構築。顧客の生産効率の向上や省力化につながるシステム提案に力を入れている。
小型ロボット向け製品で新たに投入するのが真空ポンプユニット「EVPシリーズ」だ。ロボットアームに搭載し、加工対象物(ワーク)を真空吸着して搬送するために使う。本体に正負圧ポンプ、圧力センサー、切り替え用バルブを一体化した。ポンプを内蔵しているため、外付けの真空ポンプや配管が不要になる。
エア供給のためのコンプレッサーも必要なくなり、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への貢献を訴求する。接続用のロボットアダプターは国際規格のISOに対応した4種類を用意し、ハンドツールの着脱を容易にできるようにした。
FA機器・ロボットといった自動化装置のネットワーク・IoT(モノのインターネット)化が進む中、同社もネットワークシステム機器に参入した。装置末端の電気信号を集約して上位システムとの通信を可能にする新製品の「I/Oターミナル」を投入。自社製品の電磁弁にリモートI/O(入出力)機能を追加した。接続機器は自社製品の圧力スイッチ、シリンダーセンサースイッチなどに対応可能で、IoT化に向けた製品を増やす計画。
自社製品群と上位システムをつなぐネットワークシステム機器を投入する意義について冨田英樹執行役員は「生産現場の省人化の流れは加速度を増す。トータルソリューションを提供することで、現場の作業性向上に貢献でき、顧客への訴求力が高まる」と強調。自動化対応の課題解決に向け、製品の拡充を着実に進めていく。