ソディック、光ファイバー部品金型向けワイヤ放電加工機
ソディックは光ファイバー用部品「MTフェルール」向けに、高精度な加工が可能な放電加工機や射出成形機の一体提案に力を入れている。セラミックス製リニアモーター駆動の超精密ワイヤ放電加工機を開発。ナノメートル(ナノは10億分の1)水準の超精密加工と省エネを実現し、高い形状精度が求められる同部品の金型の効率的な加工に貢献する。精密射出成形機なども併せて提案し、データセンター(DC)といった情報通信インフラ需要を取り込む。
新型機「EXC100L+」の最大加工対象物(ワーク)寸法は、幅150ミリ×奥行き150ミリ×高さ60ミリメートル。ワイヤ電極径は0・02ミリ―0・1ミリメートルに対応する。発売済みで価格はオープン。年24台の生産を目指す。
セラミックス製エアスライダーとリニアモーターを組み合わせ、加工対象物(ワーク)を固定するテーブルを非接触でスライドする仕組みを構築。一定の圧力で絶えず真直性を保持し、最小駆動単位10ナノメートルを実現した。また加工液処理の制御の最適化で消費電力を同社従来機比最大25%削減し、超精密加工と省エネを両立した。
ワークの穴にワイヤを通す自動結線機能では、独自の仕組みで凹凸のあるワークにも対応。MTフェルールの金型向けオプション機能も備え、小径狭ピッチの下穴でも安定した結線を可能にした。
MTフェルールは光ファイバーを複数束ねて接続するための部品で、AI(人工知能)に欠かせない高速・高密度なデータ通信を支える。ソディックの圷祐次社長は「高い形状精度が求められる同部品の金型加工でEXC100L+の競合製品はなかなか出てこない」と自信を示す。
同社はMTフェルールの金型を加工する細穴放電加工機と、同金型でMTフェルールを生産する精密射出成形機を含めた同社3製品を一体で提案し、DCや光通信ネットワークなどの旺盛な情報インフラ需要に対応する。
